「モニターを増やして作業効率を上げたいけど、何枚がベストなんだろう?」 「よく聞くウルトラワイドモニターって、使い心地どうなんだろう」
モニター選びという、果てしない沼へようこそ。 はじめまして、『ronri-gear』管理人のシオンです。
私自身もその沼にどっぷりと浸かり、「FHDモニター2枚→3枚→UWQHDモニター1枚」という、長い試行錯誤の旅をしてきました。私もまだ旅半ばといったところでしょうか。
この記事では、その旅半ばの経験と、設計コンサルタントとしての論理を詰め込みました。 私の失敗と成功の全てが、あなたのモニター選びの役に立つことを願っています。
【第1章:私がFHD複数枚構成で感じていた「2つの限界」】
モニター沼の最初は、大学時代、授業用のノートPCからでした。ノートPCのモニターは小さく肩がこるなぁ…と思い、バイト代でFHDモニターを1枚購入。
大学時代の作業はこれですごく捗り、しかもゲームまでできる!完璧!だったのは大学生まで。
社会人になると、モニター1枚では作業効率激悪です。テレワークも導入され始めたこと、2枚目のモニターを購入しました。初めての複数モニター環境。作業効率UPしたことも覚えています。
しかし、そこには無視できない「限界」がありました。
限界①:美学の限界
デュアルモニター(2枚構成)で最も許せなかったのが、画面のど真ん中に、モニターのベゼル(枠)が鎮座することでした。左右対称に置けば中心が分断され、1枚を正面に置けば身体の軸がズレる。これは私の美学に反する、致命的な欠点でした。

限界②:物理の限界
その美学問題を解決するために導入したトリプルモニター(3枚構成)。中央にメインモニターを置ける快適さと引き換えに、私を待っていたのは避けられない「配線地獄」でした。電源ケーブル3本、映像ケーブル3本…デスクの裏は混沌とし、掃除のたびにうんざりしていました。

でもまぁ配線くらい頑張れば問題ないし、ゲーム、YouTube、Discordなど、同時に開きながら遊べるし、良いかな!っと思い4年ほどトリプルモニター構成で使っていました。
そして時間は流れ、私の趣味趣向も変わります。遊ぶゲームも変われば、仕事だって慣れてくる。そして気づいたのです。「あれ、実際こんなに画面使ってないな…」と。
【第2章:私がウルトラワイド1枚に乗り換えて「得たもの」と「失ったもの」】
前述の通り、トリプルモニターは私にとって過剰であることに気づいたことで、次は「シンプルかつ高性能」という新たな哲学に目覚めます。そしてついに1枚のウルトラワイドモニター(UWQHD)への乗り換えを決意します。ウルトラワイドモニターについては後程解説します。まずは、モニターを乗り換えたことで得た効果をお伝えします。
得たもの①:配線のシンプルさと、洗練されたデスク
何よりもまず、デスクの裏側が劇的にスッキリしました。たった1台分のケーブルで済む快適さは、精神的な余裕を生み出します。モニターアーム1本で支えられた、広々とした美しいデスク。それを見るだけで、仕事へのモチベーションが上がります。

得たもの②:圧倒的な没入感
画面を分断していたベゼルがなくなりました。これにより、CAD作業の広大な図面も、趣味でプレイするゲームの世界も、視界いっぱいに広がり、作業やエンタメへの没入感が劇的に向上しました。

失ったもの:純粋な「ながら作業」のスペース
正直にお伝えします。物理的な画面の枚数が減ったことで、「左の画面で資料を見ながら、中央の画面で作業する。右画面はチャットやフォルダ等の常駐スペース」といった、純粋な「ながら作業」のスペースは減少しました。ウィンドウを複数並べると、どうしても一つ一つが小さくなります。
…しかし、これらはモニターの使い方次第でどうとでもなります。しかもこの問題にはある「解決策」があるのです。 その秘密が、マイクロソフト製の無料ツール「PowerToys」。ウィンドウのレイアウトを自由自在に分割・管理できるこのツールの詳しい使い方は、また別の記事でじっくり解説しますね。

【第3章:【図解】ウルトラワイド(UWQHD)とフルHDの徹底比較】
では、私の体験談を、客観的なデータで裏付けていきましょう。 まず、フルHDとUWQHD、参考に4Kモニターの解像度の違いについて図解します。
フルHDや4Kモニターは、縦:横の比率(アスペクト比)が16:9となるのに対し、
UWQHDは、縦:横の比率(アスペクト比)が約21:9となります。(厳密には違うけど気にしなくてOK)

「ウルトラワイドモニターの作業領域は、一体どのくらい広いのか?」を図解します。
ご覧の通り、UWQHD(3440×1440)は、FHD(1920×1080)約1.8枚分の横幅と、少し広い縦幅をもったサイズです。 デュアルモニターよりは少し狭いですが、ベゼルのない広大な一枚岩の作業領域は、それを補って余りあるメリットをもたらします。

【第4章:購入前に知っておくべき、ウルトラワイドの「現実」】
最高の体験をもたらすウルトラワイドモニターですが、購入前に知っておくべき現実もあります。
現実①:サイズの現実
現在、主流のウルトラワイドモニターは最低でも34インチクラスです。横幅は約80cmにもなります。あなたのデスクに、その巨大なモニターを置くスペースはありますか?購入前には、必ずメジャーで実測しましょう。
現実②:価格の現実
高性能なモデルは、決して安くはありません。しかし、モニターは一度買えば5年以上は使う、長期的な「投資」です。モニターアームと組み合わせ、快適な作業環境を構築することで得られる時間や満足感を考えれば、その価値は十分にあります。
【まとめ】
モニター選びは、ただ枚数を増やし、作業領域を広げることだけが正義ではありません。 あなたの「美学」と「求める効率」を論理的に考えた時、ウルトラワイドモニターは最高の選択肢になり得ます。
私のFHDモニター2枚、3枚、ウルトラワイドモニターの試行錯誤の全てが、あなたのモニター選びに役立つことを、心から願っています。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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