マンションリノベで見落としがちな「段差問題」―パイプスペースが間取りを決めていた

マンションリノベ

リノベーションで間取りを考えるとき、最初に気にするのは「広さ」や「収納」だと思います。でも、私が実際にぶつかったのは、もっと地味で、でも住み心地を大きく左右する問題でした。

それが「段差」です。

浴室、トイレ、キッチン、独立洗面台。水回りを動かそうとするたびに、床に小さな段差ができる。これ、実は建物の裏側にある「配管」が原因だって知っていましたか?

結論!マンションリノベの段差は「PSの位置」で決まる

マンションリノベで段差ができるかどうかは、実は「パイプスペース(PS)」の位置でほぼ決まります。

PSから配管が出ている向きは決まっていて、そこから離れた位置に水回りを移動させようとすると、配管の勾配を確保するために床を上げる=段差ができる、という仕組みです。トイレの位置を少しずらしたい、キッチンをアイランド型にしたい、といった希望が、この制約と直接ぶつかります。

先に結論を言うと、

  • PSの位置を先に把握し、そこから逆算して水回りの配置を決めれば、段差なしの間取りは十分に実現できる
  • ただし浴室だけは、浴槽ユニット自体が床から立ち上がる構造のため、段差をゼロにするのは基本的に難しい
  • この「段差問題」の存在を、間取りを決める最初の段階で知っているかどうかが、仕上がりを大きく左右する

ということです。

実録:段差なしの間取りができるまで

私が段差問題を知ったきっかけ

段差問題に最初に出会ったのは、リノベを「やる」と決めたばかりの段階で読んだ『間取りのレシピ100』という本でした。

そこに、パイプスペースと段差の関係がはっきり書いてあって、「そうか、水回りって好きな位置に動かせるわけじゃないんだ」と気づかされました。

段差だらけになりそうだった実録

私の場合、具体的にはこんな制約がありました。

  • トイレ・お風呂:PSから出ている配管の向きが決まっているため、位置を動かそうとすると段差ができる(トイレだけの話ではなく、水回り全般に共通する制約です)
  • キッチン:PSから離れた位置に持っていく、あるいはアイランドキッチンのように壁から離す配置にすると、配管を通すために床を上げる必要が出てくる

実際、リノベ会社さんからは最初「このプランはどうですか?」とだけ提案されました。でも、こちらから詳しく突っ込んで聞いていくと、「あ、ここは段差ができると思います」と後から明かされることがありました。

悪気があったわけではないと思いますが、いわば「後出しじゃんけん」のような形で段差の情報が出てくることがあるので、ここは要注意です
プランの提案段階で「段差の有無」をこちらから明確に確認する姿勢が大事だと感じました。

私はもともとロボット掃除機を使いたい人間で、しかも老後のことを考えると「段差はやっぱりない方がいい」という考えが強くありました。そこで、基本方針として「段差なし」を選びました。

しかし、浴室だけは。。。

ただし浴室だけは、システムバスの構造上、床下に配管や防水のための空間が必要で、浴槽ユニット自体が床から一段立ち上がる形になります。
そのため、段差をゼロにするのは基本的に難しい…
そこで、浴室とそこにつながる脱衣所については、段差を設ける前提で計画しました。

脱衣所も段差なしにする方法はあったのですが、その場合は一段の高さが非常に高くなってしまいます。そのため、階段のワンステップのような形で、あえて段差を設ける設計にしました。

もう一つ検討したのが「家全体の床を底上げして浴室と揃える」という案です。これも技術的には可能でしたが、そうすると窓の高さが合わなくなり、ベランダ側の窓の下端が室内の床より低い位置になってしまう。そうなると、そこにホコリやゴミが確実に溜まることが目に見えていたので、この案は採用しませんでした。

結果として、キッチン・トイレ・独立洗面については「PSの位置から逆算して配置を決める」というアプローチを徹底したことで、段差のないすっきりした間取りにすることができました。

学びはひとつ、「早く知る」がすべてだった

正直に言うと、この件に関して大きな失敗はありませんでした。

強いて学びを挙げるなら、「段差問題という概念そのものに、計画のごく初期段階で気づけたこと」が一番の収穫だったということです。
多くの人は、リノベ会社から提示された間取り図を見て初めて「ここ段差できるんですか?」と気づくケースが多いと聞きます。
その段階では既に配管ルートが固まりつつあり、変更のコストや手間も大きくなります。

先に知識として知っていたからこそ、「段差ができる前提の提案」に流されず、「PSの位置から逆算する」という主体的な選択ができました。
今回は『間取りのレシピ100』でしたが、本でなくても構いません。
リノベ関連の本を1冊でも読んで基礎知識を持っておくだけで、防げる後悔は確実にあります。

段差で後悔しないための4つのチェックポイント

マンションリノベで段差を防ぐ・納得して受け入れるためのポイントは次の通りです。

  • パイプスペース(PS)の位置と、そこから出ている配管の向きを、間取り検討の最初期に確認する
  • PSから離れた位置に水回りを動かすほど、段差ができやすくなると理解しておく
  • 浴室は構造上、段差ゼロが難しいことが多い。無理に床全体を底上げすると窓との高さ関係が崩れ、別の不具合(ホコリ溜りなど)を招く可能性がある
  • 「段差前提」の提案を鵜呑みにせず、PSの位置から逆算して配置を決める発想を持つと、段差の少ない間取りが実現しやすい

これから中古マンションのリノベを検討する方は、間取りを決める最初の段階で、ぜひ一度「PSの位置」を確認してみてください。

最後に:間取りで迷ったら

段差問題は、実際に間取りを決める段階まで来ないと気づきにくいポイントです。

今回のように、パイプスペースの位置ひとつで「段差ができるかどうか」「どこまで自由に水回りを動かせるか」が変わってきます。
リノベ会社からの提案も、聞き方次第で後から情報が出てくることがあるので、鵜呑みにせず自分でも確認しておくと安心です。

もし今、間取りで迷っていたり、リノベ会社からの提案をそのまま信じていいのか不安な方がいれば、実際に中古マンションをフルリノベした元施主目線でアドバイスできます。間取りで迷ったらココナラで相談どうぞ。

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